連載 優れた“わざ”をどう伝えるか 技術の「背後にある意味」を教える・5
技術ではあっても看護技術ではないもの 抑制
阿保 順子
1
1北海道医療大学大学院看護福祉学研究科
pp.394-399
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
これまでは,優れた“わざ”に隠れている意味を,いくつかのキーワードのもとに考えてきた。今回は,隠れている意味からすれば,逆に看護技術とは呼べないものについて考えてみる。「抑制」である。なぜこんなマイナーなものをと思われるかもしれない。だが,高齢者や子どもの虐待問題は後を絶たず,医療現場は超高齢になっても複雑な治療行為を受ける人たちが増えている。さらに,精神科病院は特例のまま認知症の人たちを受け入れている。このような現状から,「いまだに」というよりは,「ますます」それも新手の抑制が増えていくように思うからである。
ただ,それ以上に大きな理由は,「抑制」が看護技術として認知されていること自体に,私が基本的に疑問を抱いているからである。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.