連載 家庭看護技術の実践・1【新連載】
看護技術について
氏家 幸子
1
1大阪大学医療技術短期大学部看護学科
pp.256-258
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205969
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はじめに
保健婦雑誌を読み始めてから,20年が過ぎた。この原稿の参考にしたいと考え,各号をその発行された頃を思い出しながら,なつかしく読みかえした。保健婦業務の内容や方法は,社会的な背景や公衆衛生活動,さらに行政方針などの変遷に伴って,多くの移りかわりがあったとはいえ,基本的な活動についての概念は変化していない。つまり,公衆衛生看護としての保健婦の業務は,対象となる人々(地区住民)に対して,公衆衛生・看護・福祉の三分野から,総合的にアプローチすることが求められているということである。
保健婦から看護教師となり,看護学総論に関する学科目や基礎的な公衆衛生看護などを教えるようになって,10年が過ぎた。そして,その間に学生や看護婦の勉強会の仲間,また保健婦の人達との交わりや協同活動の中で,多くのことを学んだ。それは,保健婦として働いて得た学びに加えて,その渦中では見えなかった事項も多かった。ことに,保健婦活動の手段として活用したい基礎看護技術について再認識し,疑問に対して,正面から取りくむ姿勢が得られたと思う。
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