特集 日本の看護・看護教育 私にとっての20世紀
2部 日本の看護・看護教育の100年を振り返って
湯槇ます―東大医学部衛生看護学科創設の頃
今村 節子
1
1鹿児島中央看護専門学校
pp.616-618
発行日 2000年8月25日
Published Date 2000/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902309
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湯槇ます先生は,20世紀の日本の看護を考える時,多くの人たちの脳裏にまず浮かぶ1人に違いありません.特に第二次大戦後の日本の看護・看護教育の変遷において,今日の基礎を築いた先輩として特筆されるでしょう.私にとっては恩師であり,ともに看護教育に携わった上司でもありましたから,公私にわたる思い出が,折々に鮮明に,あるときは懐かしく,また叱咤激励されるように浮かんできます.
本稿では,東京大学医学部衛生看護学科の創設当初の頃を中心に,その思い出に触れてみたいと思います.既にご自身が,著書『グロウイング・ベイン』(日本看護協会出版会)のなかにその頃のことを書いておられますので,私がこの原稿を書くにあたって新しいことはないと思っていました.しかし,捨てがたかった当時の記録類を取り出してみますと,共通の体験をしていても,それぞれに独自の苦楽があったことを感じます.
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