グラフ
絵本『いのちの時間』を訳した藤井あけみさん
pp.241-243
発行日 2000年4月25日
Published Date 2000/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902233
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一冊の本が,どんなに人を励まし,勇気づけるものか.誰もがそのような本を心の中にもっているに違いない.『いのちの時間―いのちの大切さをわかちあうために』は,人が生きる時間への深い洞察に満ちた絵本である.知りたいけれど,聞いてはいけないのではないかと,重い病気の子どもが大人をみて控えている問い,「ねえ,僕は死ぬの? なおらないの?」 老いて病む人が看護者に言う,「こんな身体になって,いつまで生きていかなくちゃならないの? いったいなんの生きる意味があるというの?」 聞かれた側は,どのように答えたらよいのだろうか.この絵本はそれらの問いに真摯に答えている.訳者の藤井あけみさんに会いに行った.
藤井さんは現在,名古屋第一赤十字病院小児科でチャイルド・ライフ・スペシャリストとして働いている.チャイルド・ライフ・スペシャリストとは,米国で専門職として認められている「心理的トラウマをもった子どもをサポートしていく職業」で,大学院のチャイルド・ライフ課程を修めた者が取得できる資格である.
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