ラングさんの手作り絵本

　私は1953～1995年まで，賛育会病院で看護婦として働いた．43年間にわたるたくさんの人たちとの出会いは，今も私の大切な「たからもの」である．

　1962年だったと思う．アメリカの看護大学を卒業しているラング（Dorothea M. Lang）さんが，私たちの病院に勤務することになった．ラングさんといえば日本の助産婦界では知る人ぞ知る存在であるが，当時はラングさん自身も若かった．その頃，日本にはまだ看護大学はなかったから，はたして同じように勤務できるだろうかと異常に緊張したことを覚えている．