書評
—藤井 桂子 著—産院日記
K
pp.65-66
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201179
- 有料閲覧
- 文献概要
「助産婦の書いた現代風景」という副題の添えられた本書は,著者略歴の示すところによると,岡山県生れ,京都市立二条高女を経て,京都府立看護婦助産婦学校を卒業,それ以来2〜3の病院に勤務している助産婦さんの著書である.本文を読んでみると,著者は現在東京都内の某産院に通勤で勤務している.なおその産院は,約40床,医局が囑託を加えて12人ぐらい.看護婦助産婦が20人ぐらいの規模であつて,なかなか多忙であるらしい.
記述は感想を織りまぜた日記体にしてあるが,次から次へと興味ある話題を掴えて夫々適切な標題をつけて項を分け,読者を引つぱつて最後まで読ませるように上手に書いてある.ここにその標題を二つ三つ拾いあげて,次に示してみよう.◎女だけの室,◎貰い子を産む,◎明るい産院,◎お産婆さんの哀歓,◎女の秘密,◎苦痛分娩法など——そのほかどれをとりあげても一寸興味をそそるような標題ばかりである.
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.