調査研究
がん患者へのサイモントン療法の実際
高柳 久美
1
1茨城県立中央看護専門学院
pp.786-793
発行日 1999年10月25日
Published Date 1999/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902133
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本研究は,がん患者が持続的に持つがんに対する不安(化学療法の効果や,再発・転移への危険性等に対する)を外に表出することによって不安から解放される方法として,看護婦が心理的技法を用いて患者の心理へ介入していくことへの有効性について探ろうとしたものである.
がん患者の援助は,精神的な支援が不可欠である.がんに罹患したことを告げられたこと(がん告知)イコール自分の死の宣告と受け止める点が,がん患者の特異性である.告知をされた瞬間から死の恐怖(たとえ寛解しても常に再発→死の恐怖)が付きまとい,消えることのない不安や恐怖を体験する.だから,がん患者には,特に持続的あるいは潜在的に持ちつづける不安を軽減するために,一貫した継続的精神的援助が必要である.
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