琉球弧から・6
太平洋のキーストン
天願 勇
pp.567
発行日 2001年6月1日
Published Date 2001/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903312
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□五十五(いとい)の夏
乙女こころに託した琉球民謡「19の春」の替え歌である.
一)ヤマトゥ(大和)がウチナァ(沖縄)に気づいたは,戦後五十五年(いといとし)経ってから今さら平和と言うならば,もとのウチナアにしておくれ
二)もとのウチナアにするのなら首里のお城を見てごらん型(かたち)は昔に似たれども,緑の森は消え果てた
三)すくう情けがあるならば,もっと親身になってよね過ぎた戦(いくさ)の傷を知るアンマァの心を癒してよ
四)七つ八つの子どもさえ摩文仁(まぶに)の丘で涙する同じウチナァに生きるから,礎(いしじ)に残る名に祈る
五)平和平和と呼んだとて,平和は黙って来はしないいくら平和と呼んだとて,基地があるなら休まれぬ
六)空に漂う白雲も,夏が来れば湧き上がるウチナァの心は基地に揺れ,平和の思いに滾り立つ
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