調査研究
看護基礎教育におけるチームアプローチ学習の目標の検討―他学科との合同学習からの考察
川崎 裕美
1
,
吉川 ひろみ
2
,
石川 清美
1
,
砂屋 敷忠
3
1広島県立保健福祉短期大学看護学科
2広島県立保健福祉短期大学作業療法学科
3広島県立保健福祉短期大学放射線技術科学科
pp.484-488
発行日 1999年6月25日
Published Date 1999/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902085
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はじめに
介護保険法の制定により,在宅療養者の急激な増加が予測される.在宅療養者に対するサービスは幅広い領域にわたるため,他職種がチームとしてサービスを提供する機会も増加すると考えられる.介護保険法の下での在宅療養者に対する看護の役割は,直接的なケアの担当者,ケアマネジャーという2つが考えられる1).どちらの役割に重点をおいてサービスを提供する場合にも,チームの共通理念を理解して働く必要がある.
チームメンバーの理念は,職種や職場によって差があると報告2)されている.異なった理念を持つものが,職種・職場をこえて協力していくためには各専門職が協力した体験を積み重ねていく必要がある3).また,後藤はチームとして適正な人数を越えたとき,責任の分散の原因となる他人任せの心理が起きる4)と述べている.チームの構成メンバーがそれぞれの職場で個人の責任を十分果たしている場合でも,チームアプローチを行うことは難しいということである.
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