臨床に資する看護研究―私の研究指導 第2部 教員と臨床ナースの共同研究
私の看護研究へのとりくみ―臨床看護実践にこだわって
陣田 泰子
1,2
1健和会臨床看護学研究所
2前川崎市立看護短期大学
pp.976-979
発行日 1998年11月30日
Published Date 1998/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901968
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はじめに
私は長い臨床看護婦の生活から3年前,新設の短期大学に変わり,看護教員として勤務した.この3年間は,私にとって見るもの聞くもの新たな世界だった.長い間教員一筋で歩んで来た人から,臨床と教員の2つの経験をしている人まで様々なキャリアの教員が,新設の短期大学に集まっていた.その中で臨床経験のみの者は,私1人であったかと思う.授業や実習の中で,教員経験のなさはデメリットとも考えられたが,私としてはむしろそのことをメリットとして授業・実習を組立てようと,半ば開き直った形で考え実施した.
「研究をする」という,教員にとって重要な役割をどのようにしていくか,この点が難しい問題であった.結局私は,以前勤務していた大学病院をフィールドとして,関心のあった「看護婦の臨床実践能力がどのように発達していくのか」という点に焦点をあて,臨床にいた時にともに働いた仲間と共同で研究をすることにした.その共同研究から,学んだことは多かつた.以下に,看護教員であった私と,臨床の看護婦との共同研究のプロセスと,その結果得られたことについて述べる.
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