臨床に資する看護研究―私の研究指導 第2部 教員と臨床ナースの共同研究
―研究を振り返って―臨床と教育機関との共同研究の意義
石原 美和
1
1国立国際医療センター
pp.975
発行日 1998年11月30日
Published Date 1998/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901967
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エイズ治療研究開発センターは,昨年の4月に設立された.そのなかに,国立病院では初めて医療職3(看護職員)として専門職の支援調整官2名(以下コーディネーター)が配置され,2名とも修士課程修了者が採用された.所属はエイズ治療・研究開発センターの治療研究開発部長の直属であり,病院看護部には入っていない.この新しい職種は諸外国の専門看護婦やケースマネージャーをモデルとしたが,わが国の医療体制やエイズ患者のニーズに合致した活動にするためには客観的な調査を行う必要がある.
そこで,米国NIHでHIVの基礎医学に関する研究歴のある前田さんにエイズコーディネーターの活動に関する研究をお願いした.以前より学会などで意見交換をしており,HIV医療に対する考え方が科学的で真摯であることが協力関係を築く基本となった.私には新しい看護專門職をエイズ政策医療とともに普及していきたいというねらいがあったので,新しくて見えにくいコーディネーターの活動が一般の理解を得られるような研究をしたかった.そのため政策的な動きを理解できることや,従来の看護部門における看護婦の活動スタイルにとらわれることのない自由な発想ができることは,共同研究する上で必要条件であった.
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