臨床に資する看護研究―私の研究指導
序 なぜ看護教員が臨床に資する研究をする必要があるか―学生に体験させたい臨床研究の醍醐味
稲垣 美智子
1
1金沢大学医学部保建科
pp.886-890
発行日 1998年11月30日
Published Date 1998/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901943
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年の看護教育に著しい変化が起こっている.看護学の学士課程さらには看護学の修士課程,博士課程の増加がそれを示している.このことは,人々の健康に対する関心の高まりへの対応として,健康に関するケアを中心とした実践性の高い学問である看護学への期待が大きいことを示している.また,高齢社会,疾病構造の変化,少子社会,医療費の高騰などの社会的な問題に対して,看護が貢献できるであろうとの期待が大きいことをも示しているように思う.それらの期待は看護教育の立場からみると,変化の大きい社会のニーズに対応できる,質の高い看護サービスの開発,実用化を図る看護研究推進のできる人材育成を意味しているともいえる.
このことは,看護大学,あるいは大学院にのみ期待されることではない.日本では看護教育機関に看護学校が占める割合が大きいが,その全体への期待である.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.