忘れられない患者さんに学ぶ
臨床医学の醍醐味
塚本 玲三
1
1名古屋徳洲会病院
pp.199
発行日 1994年3月15日
Published Date 1994/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901114
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われわれ臨床医は,日常診療上,接している患者さんから,病気の診断あるいは治療において重要なヒントになることをたくさん学ぶことができる.しかし,学ぶ心がないと,貴重な情報をむだにしてしまう.現在,わが国の臨床教育では,真の意味でのベッドサイドティーチングはほとんど行われておらず,一般に,画像診断や検査データの解釈に重点が置かれ過ぎていると言ってよいであろう.
私の過去30年にわたる臨床医としての経験のうちで,医師として少なからず社会に貢献できたと私に自信を与え,臨床医学の醍醐味を体験させてくれた1人の患者さんがいつでも鮮やかに思い出されるので,その人について述べてみたい.
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