特集 思春期医療に向き合う~苦手意識からの脱却
序―思春期医療の醍醐味
田中 大介
1
TANAKA Daisuke
1
1昭和大学保健管理センター
pp.1305-1306
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001822
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思春期とは
思春期は,小学校高学年から高校生の時期にあたり,それまでの身長,体重の発育に加え,二次性徴が発来し完了するまでの時期で,自我同一性(identity)が育まれる大切な時期でもある。エリクソン(Erik Homburger Erikson,1902~1994)は,乳児期から老年期までを8つの発達段階で捉え,思春期を含む学童期・青年期に達成されるべき課題に「勤勉」,「自我同一性(identity)」を挙げ,勤勉が達成されないと「劣等感」に陥り,自我同一性が達成されないと「自己認識に混乱」が起こるとしている。この時期に,身体的,精神的,また生活習慣にかかわる問題が生じると,自我同一性の形成への影響も危惧される。
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