連載 生理学はおもしろい・5
消化と吸収
高田 明和
1
,
高田 由美子
1
1浜松医科大学医学部
pp.712-715
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901909
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胃液の働き
私たちがものを食べる.その中には何度も噛まないと飲み込めないタクアンやビーフジャーキーのようなものもある.これは胃や腸の中でどのようになるのだろうか.
1683年にフランスのロシェルに生まれたレオミュールは,最初法律家になるための教育を受けた.しかし金持ちだったので,職につく必要はなく,多くの科学的観察をすることに一生を使った.かれの興味は胃腸の働きであった.食後しばらくして吐いたりすると,食べたものは細かく分解されているように見える.彼は食物が胃の中でただ機械的に粉々になるのか,あるいは腐敗するのか,または胃で分泌される液によって分解されるのかということに興味をもった.
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