図解病態のしくみ 消化器疾患・5
脂肪の消化と吸収
松枝 啓
1
1国立病院医療センター消化器内科
pp.1282-1286
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216022
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
脂肪の消化および吸収障害が起こると,カロリー源としての脂肪を効率よく吸収できないばかりでなく,その吸収障害に伴って起こる下痢(脂肪便Steatorrhea)により腸管壁から電解質や蛋白質などの喪失をきたし,ひいては栄養不良状態(Malnutrition)を惹起するため臨床上重大な問題である.一方,脂肪の吸収障害に伴い,脂溶性のビタミンであるビタミンA,D,E,Kなどの吸収障害や欠乏が起こり,合併症として多彩な臨床症状を呈してくる.
ここでは脂肪の消化および吸収の病態生理を述べることにより,それらの障害に対する合理的なアプローチについて考えてみたい.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.