図解病態のしくみ 消化器疾患・6
炭水化物の消化と吸収
松枝 啓
1
1国立病院医療センター消化器内科
pp.1424-1429
発行日 1979年9月10日
Published Date 1979/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216058
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はじめに
人間によって摂取される総カロリーの約50%は食物中の炭水化物によって供給されるが,その炭水化物は主に多糖類である殿粉(Starch)とグリコーゲン(Glycogen),および二糖類である庶糖(Sucrose)と乳糖(Lactose)から成り立っている.これらの糖は,種々の酵素によって分解され,最終産物である単糖類になってはじめて腸管からの吸収が可能となる.
したがって,それらの糖分解酵素の先天的または後天的欠乏は炭水化物の吸収障害をひき起し,栄養不良状態,浸透圧性下痢,腹部膨満,腹鳴,放屁などの多彩な臨床症状を呈する.
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