特集 生涯人間発達学入門―人間への深い理解と愛情をもった看護者を育てるために
幼児前期(1~3歳)
服部 祥子
1
1大阪府立看護大学
pp.607-611
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901883
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自律性対恥・疑い
幼児前期の発達危機
自立の第一歩
人間の乳児は,生後1年ないし1年半経つと見違えるほどしっかりしてくる.乳児期を卒業して幼児期へと入っていく時の到来である.その節目をしるすものが「歩くこと」と「話すこと」.この2つは人間のみが有する高い能力である.これを獲得するまでに,それまでの乳児期の約1年が要されたわけだが,いよいよ自立(ひとりだち)という形で幼児期へと歩を進めていく.
二本足直立歩行は,自力で自分の望む目的物のところまで行くという行動の自由を保証する.また立ち上がることで,用いなくてすむことになった手は,物をつかんだり離したり,手から手へ移し替えたり等の活動を楽しむ自由を子どもに与える.
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