連載 「准看報告書」以後の看護教育制度をめぐって・11
不透明な意思決定過程に驚きと危惧―「検討会報告書」への対応に関する日本医師会と日本看護協会の「合意」
似田貝 香門
1
1東京大学大学院人文社会系研究科
pp.205-209
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901797
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1996年12月に『准看護婦問題調査検討会報告書』(以下,『報告書』と略す)が発表されてから,厚生省は矢継ぎ早に,行政施策を実施した.
この『報告書』は,長らく懸案であった准看護婦問題に歴史的な方向を示したものとして各階層の評価を得たものであった.『報告書』で指摘された,准看護婦養成所生徒の医療機関勤務の義務付けや,入学金・奨学金による卒業後の勤務拘束問題,そして医療機関での違法な医療行為問題等については,准看護婦養成所,看護婦養成所等が生徒に医療機関勤務を義務付けることを禁止するための省令(1997年3月24日付文部省・厚生省令第一号「保健婦助産婦看護婦養成所指定規則の一部を改正する省令」が出された.また,医療機関からの奨学金の透明化,法令違反業務の是正のために,養成所生徒向けにリーフレットが配布され,周知徹底と注意喚起が行われた.
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