連載 「准看報告書」以後の看護教育制度をめぐって・11
准看護婦をめぐる動きに,いま専門職として言わねばならぬこと
林 千冬
1
1群馬大学医学部保健学科
pp.200-204
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901796
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はじめに
「報告書」から1年
「21世紀初頭の早い段階を目途に,看護婦養成制度の統合に努めること」を提言した一昨年12月20日の厚生省「准看護婦問題調査検討会報告書」(以下,「報告書」とする)から1年が経過した.周知のとおりこの「報告書」は,実質的に准看護婦養成停止の方向性を示唆する画期的なものであり,これを受けて厚生省は平成9年度,養成停止に伴う移行教育検討のための予算を計上した.そして,私たち看護職者もこの1年,養成停止の早期実現と移行教育の検討に多くの力を注いできたのである.
一方,日本医師会はこの間,先の「報告書」における合意をまったく反古にした形で,「准看養成堅持」をかたくなに主張し,これを前提にしなければ「各論の議論には一切応じない」として新たな検討会の開催を阻んできた.このような医師会の強圧的な態度により,看護職養成という国民の医療と健康に関わる重大事をめぐる議論は膠着状態のまま,「報告書」から1年が経過しようとしていた.
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