連載 「准看報告書」以後の看護教育制度をめぐって・8
看護婦を目指す「ベテラン」准看護婦を支援する―長期業務経験者の推薦入学を試みて
櫻井 登美枝
1
1神奈川県立看護専門学校
pp.1038-1041
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901743
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はじめに
1993(平成5)年6月,看護婦2年課程検討会報告書がまとめられ,厚生省健康政策局看護課長から,看護婦養成所(2年課程)の入学試験の改善についての指導があった.これを受けて本校では,1994(平成6)年度から准看護婦養成所既卒者への門戸を開くために入学試験について検討を加え,推薦入学者の枠のほかにさらに長期業務経験者のために一定の枠を設けた.そしてこの度,4年間の試行期間を終了し,1998(平成10)年度からの制度化に踏み切ることにした.
ここでいう長期業務経験者とは,准看護婦として5年以上の臨床経験を有する者を指す.1996(平成8)年12月の准看護婦問題調査検討会報告書に事実上の准看護婦養成停止の方向が打ち出され,現在准看護婦から看護婦への移行教育についての議論が求められている.なかでも准看護婦として,長期業務経験者がこれまで積み上げてきたものを看護界の財産として生かしつつ看護婦への道を開くことは最も大きな課題であると考える.その議論の一助として,本校での4年間の試行の経過と学生の姿を通じて,長期業務経験者の特徴を明らかにするとともに今後の課題を述べてみたい.
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