特集 学生が経験したICN大会
「世界」にふれて自分の中の「日本」を知る
鮫島 輝美
1
1兵庫県立塚口病院
pp.714-715
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901679
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私が参加した理由
現在看護婦1年目の私が,5日間の休暇をとってICN学生大会に参加した理由の1つは,世界中の看護学生と看護について語れることへの“あこがれ”だった.人種や文化,さらに言語を越えて,看護を通じて交流ができることは参加する醍醐味の1つだと感じている.
もう1つの理由は,学生の時行なった自治会活動にある.学生会を作り,運営していく中で看護学生の横のつながりのないこと,学校ごとに孤立しているための弱さを感じ,卒業論文として「なぜ日本には看護学生の組織がないのか」をテーマに選んだ.そして,戦後の看護学生組織の活動が学生運動の影響を強く受け,教育体制の不備や労働条件の悪さなどからくる不合理への“不満”から生じた抗議運動であったこと,学生運動の衰退とともに学生組織に対する興味も薄れ,またそうした“不満”を解決しようという教員の努力がめざましかったこと,そのためここ20年ほど看護学生の間には大きな組織を作るような活力は生まれてこなかったことなどがわかった.そうした歴史的背景を知ったからこそ,いま日本の看護学生が組織を作り,学生にだから見える「看護」について純粋に語り,深める必要があると感じた.しかし,自分自身,どうしたら看護学生同士が横のつながりをもてるのか,少しもわからなかった.この大会で様々な国の看護学生や看護学生組織にふれれば,何かつかめるのではないかと思ったのである.
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