保健婦活動—こころに残るこの1例
笑顔にふれて
吉原 智子
1
1佐賀県武雄保健所
pp.131
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900286
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広々とした田園風景の中に,ポツポツと建っている昔ながらの農家を見ると,ふと思い浮かべる家族がいる.Aさん一家である.
Aさん(38歳)は,アルコール依存症である.18歳で初飲し23歳で習慣飲酒,30歳過ぎて酒量が増え,1回精神病院に入院している.家族は腎臓が悪い父(68歳)と高血圧症の母(62歳),妻(36歳),娘3人(7,6,3歳)である.妻は娘3人と共に軽度の知能障害があり,理解力に乏しい.わずかな田畑を耕し,父母の年金と妻が時々アルバイトで稼いだ金で,細々と暮らしている.家もかなり古く,冬になれば隙間風が吹く.
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