歴史研究とその方法

はじめに

　近年の看護界は様々な学会および研究会ができてきた．この点は喜ぶべきことである．だが，私の目から見ると，その現象には手放しには喜べない部分がある．

　以前私がいた短期大学では，学生たちに卒業論文は課してはいなかったが，その代わりに3年次に研究をさせていた．ところが，各教員が自分の担当科目をベースにした研究を指導することになり，どこにも受け入れられないテーマを選んだ学生の行き場がなくなるという事態が生じた．そのため，結局は私の所に様々なテーマを学生が持ちこむことになった．