NURSES' VIEW
看護の歴史に明日をみる
亀山 美知子
1
1京都市立看護短期大学
pp.865
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920840
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時々私は,お目にかかったことのない方から,相当な年配と勘違いされることがある.その理由は,私が歴史の研究に携わっているからである.いったい,歴史といえば年寄りの懐古趣味のように思われてしまうが,自らの職業の歴史が語れないようでは,専門職業人としては成り立たないと思う.
私が看護婦の歴史に取り組むようになったのは,歴史が好きであったという以外に,看護婦としてのアイデンティティーを確立するためであったことが大きい.約8年の臨床経験を持ち,強い愛着を持ちながらも,理想の看護と現実との差に悩むという状態が続いていた.このようにアンビバランスな状態にあった理由のひとつには,看護婦の社会的地位が低いため,十分な看護の機能を発揮できないことがあげられる.専門職業人としてのプライドが持てないのである.
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