特集 女性と健康
新しい医療体制への提言—看護婦の歴史上の諸問題をふまえて
亀山 美知子
1
Michiko KAMEYAMA
1
1京都市立看護短期大学
pp.112-117
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207210
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■はじめに
看護婦は女性の代表的な職業とみなされてきた.だが,その歴史は決して平担なものではなかった.女性が自立し,職業をもつことを許さない社会通念が,その確立を著しく遅らせたのだといえる.
しかしながら,明治10年代末にキリスト教関係者らによる近代的看護教育が開始された時点では,従来看護婦と呼ばれる女性たちに対する誤解等を払拭した感があった.鹿鳴館外交を頂点とする日本の近代化・欧化への急速な傾斜とともに,女権思想の流行が背景にあったことと無関係ではない.
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