今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
肝炎研究の歴史
織田 敏次
1
Toshitsugu ODA
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.1504-1508
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217307
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝臓病の研究は,この10数年の間にまったく新しい方向性をみいだし,力強い展開を示し始めている.いわゆる原因指向の追究である.
筆者が卒業して,戦後ようやく仕事を始めたころ,蛋白栄養がそろそろ肝硬変の治療に向けられ始める.またしばらくして酵素診断も登場してくる.当時は腹水を発見してから約半年の間に,肝硬変患者の約50%が亡くなっていたのだが,現在はこれが約3年にまで延びている.それなりに,蛋白栄養の効果は歴然といえる.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.