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頭痛の歴史は文字の誕生した約5000年前までさかのぼれる。その後約3000年間の頭痛治療は魔術・祈祷が主役であった。Galen以降,片頭痛は肝臓から頭に昇るvapor(蒸気)によって説明されてきた。Willisは1660年に片頭痛のvapor説を否定し血管拡張によるとした。1938年GrahamとWolffはergotamineの投与実験から片頭痛血管説を強固なものとした。1961年Sicuteriの研究以降,片頭痛とセロトニンの関係が明確化した。1981年Olesenらのspreading oligemia現象の発見により神経説が台頭した。1984年Moskowitzは血管説と神経説の融合した三叉神経血管説を発表した。この説は1991年に臨床応用されたtriptanの作用機序と合致することから評価が高い。最近は片頭痛に分子生物学的アプローチがさかんになされている。頭痛の知識は1988年の国際頭痛分類の発表やtriptanの相次ぐ開発により急速に増加しつつある。しかしまだ片頭痛の根本的治療への道は拓けていない。慢性連日性頭痛のような難問も残されている。
The historical epoch of headache research was divided into six era as following ; I . from an ancient period to Hippocrates (“magical” era) II. from Hippocrates to the 17th century (“the four cardinal humors” era) III. form Willis (1660) to Wolff (1940) (renaissance for headache) IV. from 1940 to 1987 (innovation of headache research) V. from 1988 to 2000 (era of triptans) VI. after 2001 (era of molecular biology)
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