講義ノート 新しい在宅看護論精神看護学
現場から考える在宅看護論
第1章 高齢者の在宅療養のとらえ方
健康のとらえ方
坪倉 繁美
1
1兵庫県立総合衛生学院
pp.959-962
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901494
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高齢者のほぼ2人に1人はなんらかの身体的な症状を訴える人(有訴者)であるという.病気は生き生きと生活するという視点から考えれば,「悩み」「苦悩」である.病気に伴う身体の苦痛や精神的・社会的苦痛は生きることのさまたげになる.老人にとっての病気は近くおとづれるであろう「死」をイメージし,さらに恐れられる.自己のもつ課題におしつぶされそうで苦しく,まわりの人々とは住む世界が違う,人にはわかってもらえないと感じる時に,悩みや苦悩は強く感じるものである.
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