職業病の知識
職業病のとらえ方
久保田 重孝
1
1労働衛生検査センター
pp.136-139
発行日 1979年1月10日
Published Date 1979/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215739
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職業病のうつりかわり
古代から産業革命まで 職業の分化が始まると同時に,それぞれの職業が健康に及ぼす影響も次第にはっきりとしたかたちをとるようになり,中には疾病(職業病)にまで進むものも出てきたであろう.したがって,こうした職業病は非常に古い時代からあったと考えねばならず,事実,断片的にではあるが,いろいろの職業病に関する古い記録が残っている.
たとえば,鉛中毒やCO中毒は,西暦紀元前からエジプトの塗工やローマの戦士などの間にその存在が知られていたし,また,同じ時代に,石工や鉱夫について,特殊な病気があることに注目した報告もある.これは,今日つうところのじん肺,硅肺がその頃からあったことを示唆するものである.
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