特別講義
看護教育における歯科口腔領域に関わる教育の現状
伊藤 英紀
1
,
鈴木 俊夫
1
,
中島 俊明
1
1看護介護の歯科教育を考える会
pp.155-159
発行日 1996年2月25日
Published Date 1996/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901323
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はじめに
高齢社会の到来と共に社会のニーズは医療から福祉へと変わりつつある.人口構成・社会システム・経済情勢・国際化・情報化など,医療をとりまく社会環境は大きく変化し,社会保障そのもののあり方が問われ,昨年7月には社会保障制度審議会から『社会保障体制の再構築―安心して暮らせる21世紀の社会を目指して』という勧告書が政府に提出された.その中の一部に「現在の医学・歯科医学教育さらには看護教育においても,医療の高度化や専門化に伴い身体の一部の疾病の治癒に焦点が当てられ,ややもすれば病人の人間としてのニーズに対応することが軽視されがちであるが,今後は人間全体をとらえて診療に当たるよう教育と実践に力を入れていかねばならない」と記されている.
看護教育についてみると,ケアの充実と質の向上を図るために,アセスメントからケアプラン評価まで看護職が携わる場面が広がってきたが,在宅療養者や入所入院している人たちの口腔内を診ると悲惨な状況を呈していることが少なからず見受けられる.
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