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はじめに
在院日数の短縮化,在宅療養児とアレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などの患児の増加,育児不安の母親の増加等に伴い,小児外来の看護師に求められる役割は増大してきている。それに対して近年,専門看護師の配置等わずかではあるが,外来看護の見直しとともに,より専門的ケアの提供をめざし,外来看護のあり方が検討されつつある(及川,2003;渡部ら,2003)。しかし,医療機関における体制整備の必要性や看護者の意識啓発について十分検討されているとはいえない。看護基礎教育においても社会のニーズに応じた看護の提供をめざし,小児看護学領域における外来看護の教育内容や方法の検討が急務と考える。
濱中ら(1994)は,全国の3年・2年課程の看護専門学校230校を対象とした調査を実施しているが,小児看護学実習のうち外来実習を実施している施設は63.1%であり,外来実習が増加傾向にあり,効果的な教育方法の検討が必要であると述べている。黒木ら(1995)は,専門学校生の外来実習の学習内容を教育目標との関連から調査し,病棟実習だけでは十分学習できない内容が外来実習で学習できるとして,受診する小児の特性や家族との関係,幅広い年齢層の学習,小児の病気の理解などを目標に盛り込む必要性を述べている。石井ら(1996)は,大学でのカリキュラムの位置づけを振り返り,外来実習の学生の学習内容から,看護の役割や独自性のみならず,病棟実習では経験できない技術を学習しているとして,外来実習の必要性を指摘している。さらに,平元ら(1999)は外来実習導入前後の学生における小児看護技術の経験を比較し,導入後の学生の経験が増加していたと報告している。これらのことから外来実習はより幅広い学習が可能であると考える。
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