連載 癒しの環境・13
生きる実感がわく環境
高柳 和江
1
,
クミコ・クリストフ
1日本医科大学医療管理学教室
pp.6-7
発行日 1996年1月25日
Published Date 1996/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901293
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患者の満足度調査を行なうと,病院選びの要素の第1位は,「医師,看護婦とのコミュニケーション」であるという1).ソフトの環境がより患者にとって重要だというのである.医療は,病院側の「パターナリズム医療」や看護婦の「して差し上げる看護」から,「やる気をおこさせる医療」へと変換してきている.生きる実感がわく環境が必要とされていると思う.まず,その人の人間性を高めること.人は,自分を認めてくれるような言葉をかけられると,嬉しいものだ.「きれいね」「センスがいいですね」と言われて,わるい気はしない.そして食事.おいしいもの,食べたいものを病気の時だからこそ,食べたい.
毎日の自分の着るものは気分に影響する.病院での基準寝具のパジャマは,その意味では,明るい色が多くなった感じはする.が,病院の売店にあるのは,20年来変わっていないように思うのだが….楽しい気分になるパジャマがほしい.病院では必需品のガウンも,それを着たら病人が元気になるようなものがほしい.高齢者のための小さなサイズの明るい色のガウンもほしい.
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