特集 POSの輪を広げよう―第17回日本POS医療学会報告
一般演題Ⅴ
オレムの理論に基づいたセルフケア自立への看護―巧緻性障害のある頸椎疾患患者を通して
堀 香織
1
,
山根 世津子
1
,
大屋 恵
1
1九州労災病院看護部
pp.1121-1122
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901275
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はじめに
整形外科領域では,患者は疾患により身体の可動性が制限されることが多い.以前,ある患者より退院後に,日常生活がうまく送れないとの相談を受けたことで,セルフケア不足の援助は行なっているが,セルフケア自立への看護を怠っていたのではないかという疑問を感じた.
現在では,高齢化,核家族化が進み,退院後は介助者がなく,家庭復帰をするには日常生活行動(ADL)の自立が必要とされる.今回,巧緻性障害を残し,退院後も家庭生活に支障を来たす可能性のある患者に対し,オレムのセルフケアモデルを参考にし,自立への援助を行なった結果,ADL拡大が図れ,退院後の電話調査でも生活に支障はないようであった.この事例を通し,ADL自立への援助の必要性を再確認したので,ここに報告する.
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