調査・研究
看護専門学校への進路決定要因の分析とそれに基づく学校適応状況の解明―看護職優先選択者と非優先選択者との比較から
竹内 千恵子
1
,
小玉 正博
2
1杏林大学医学部附属病院
2日本赤十字看護大学
pp.280-285
発行日 1995年3月25日
Published Date 1995/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901087
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はじめに
これまでの看護学生の進学や学校生活に関する研究では,看護職への志望動機や看護学校選択の理由,看護学生の考える理想の看護婦像等についての実態調査が多い.例えば,土屋他1)は看護職志望度と志望理由・学校選択理由・学生の悩み等を関連づけ,その中で7割近い学生は高い看護婦志望度を持っていると報告している.その一方で,看護職を選択したことに悩みながら,学業および学校不適応に陥る学生も少なからず見られている.看護職選択の意思決定過程には,経済的要因,学力および適性要因,個人の価値志向性などの様々な要因が関与しているものと思われるが,これまでの研究では看護学校進学における意思決定要因と,在学中の適応状態との関連等については必ずしも明確にされていない.
入学後の学習指導をより有効なものとするためには,①自らを取り巻いている外的,内的条件を学生たちがどのように認知した上で看護専門学校への進路決定に至ったのか,また,②進路選択に関して最も寄与する要因は何か,③進路選択要因と入学後の適応状況とはどのような関連性を有するのか,などを明らかにすることが必要であろう.
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