JNEダイジェスト
批判的思考と臨床判断―Journal of Nursing Education 32巻(1993年)8号後半から9号までの概要
三浦 しおり
1
1兵庫県立看護大学
pp.518-521
発行日 1994年7月25日
Published Date 1994/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900873
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
今回読んだJNE 9号は,批判的思考(criticalthinking)と臨床判断(clinical judgement)の特集であった.批判的思考と臨床判断は,看護教育において大変重要であり,教員も学生も理解を進めその技術を習得していく努力をするに値するトピックスだと思われる.
この特集が組まれた背景には,「批判的思考や臨床判断の複雑さをとらえる上で,看護過程モデルでは限界があるという認識を教員が持ち始めてきたこと」や「現在の教育実践が学生の批判的思考能力の発達を高められないだけでなく,妨げているかもしれないという暗黙の認識」があるようである.もちろん,批判的思考や臨床判断の能力を評価あるいは発達させるために,唯一かつ最良の方法があるわけではないので,その特集によって日々の教育実践の中から浮かび上がった疑問が即解決されるというものではない.看護実践の中心となる知識の本質を探究する必要性を指摘し,これらの知的技術を発達させるために,我々は学生をどのように援助できるかという多くの洞察を提供することにより,批判的思考や臨床判断がどういうもので,現在の考え方の限界は何なのかを考える刺激とすることが意図されている.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.