Japanese
English
研究
市販されている三キットを用いた血漿cyclic AMP濃度の比較検討
Comparison of Three Commercially Available Kits for Plasma Cyclic AMP Concentration
後藤 徳子
1
,
冨永 詩郎
1
,
村上 松太郎
1
Noriko GOTO
1
,
Shiro TOMINAGA
1
,
Matsutaro MURAKAMI
1
1秋田県立脳血管研究センター内科研究部
1Division of Internal Medicine, Research Institute of Brain and Blood Vessels
pp.1161-1164
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911365
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はじめに
アデノシン3',5'モノホスフェート(cyclic AMP;cAMP)の生理学的1),病態生理学的役割2)については広範にわたる研究が報告されているが,体液中のcAMP濃度が臨床検査上の意義を有するとの報告はまだ少ない.例えば,尿中排泄量が偽性副甲状腺機能低下症の鑑別診断に3),また血漿中の濃度が心筋梗塞の予後判定に役立つとか4,5),脳せき髄液中の濃度が頭部外傷6)や脳血管障害7)において意識障害の程度と相関がみられた,という程度にとどまる.また筆者らの観察によれば急性期脳梗塞において,脳シンチグラム上の異常範囲の大きさと,末梢静脈血漿中cAMP濃度の経日変動とは相関を示すが,脳脊髄液中や内頸静脈血漿中のcAMP濃度とは相関を認めなかった8).
このように,各報告にみられる体液中のcAMP濃度の諸疾患における変化をはじめとして,その絶対値には報告により大きな相違がある.この理由の一つに測定法による差が考えられるので,市販キットの比較検討を試みた.
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