連載 看護学生解体新書・9
ラーメン・ウォーズ
加藤 光宝
1
,
藤田 悌子
1東京大学医学部附属病院整形外科
pp.686-687
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900451
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看護学生の受け持った患者さんはOさん.26歳の独身男性で,股間節固定術後である.この場合は,術後の安静が極めて重要であり,骨の接合部にストレスをかけないことがポイントだ.
調理師であるOさんは,立ち仕事だったから臥位はことのほか辛いと言う.動きたくてたまらないらしく,はらはらするような動作をしようとしては看護学生を困らせた.そんなOさんに主治医は,「1,2日急いで骨のつき方に問題を残すより,ゆっくりでも慎重に安静を守った方が,もしも問題が残っても,心に悔いを残さなくてすむでしょう」と言った.つまり,それくらい安静が大切なんだというわけだが,Oさんはそこまで読み切れなかったようで「一生懸命安静にして問題ありなら,最初からそんなもの守りたくもない.恨んでやる!」と,何度も熱くなった.
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