特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!Part 3 カリスマ編
【各論】
System1|電光石火の感染症snap diagnosis
豚骨ラーメンは、やっぱり死ぬほど美味しい!
清田 雅智
1
1飯塚病院 総合診療科
キーワード:
toxic shock like syndrome
,
Streptococcus suis
Keyword:
toxic shock like syndrome
,
Streptococcus suis
pp.886-891
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201002
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Case
半日でショック状態になって受診した敗血症の一例
患者:67歳、男性。ADL自立。
家族歴:特になし。
現病歴:前日19時まで、普段どおりの仕事(豚の骨を砕いて、飼料や豚骨スープの原料にする)をしていた。20時に夕食をとり、普段どおり22時に就寝した。1時頃に中途覚醒し、2回嘔吐して再度就寝。5時頃に起床したが、こたつの中で「寒気がする」と言って震えており、顔面が紅潮していた。6時に救急外来へ搬送された。
身体所見は、体温40℃、血圧60/30mmHg、脈拍数126回/分、呼吸数24回/分、SpO2 80〜90%(室内気)。顔面に紫斑あり、粘膜浮腫や出血なし、右肺野にcracklesあり。
検査所見:病歴からoverwhelming sepsisが疑われたが、CT検査では脾臓は正常、末梢血目視でもHowell-Jolly小体はなかった。肝硬変の病歴も身体所見も乏しく、血液検査では免疫グロブリンの産生低下や補体(C3、C4、CH50)の低下もなかった。
診断・治療:当初、重症敗血症との判断でメロペネムが投与されたが、血液培養からレンサ球菌が検出されて「toxic shock like syndrome(毒素性ショック様症候群)」が疑われ、抗菌薬をセフトリアキソン+クリンダマイシンに変更した。のちに培養結果からStreptococcus suisであるとわかり、アンピシリン+クリンダマイシンにて治療し、2週間後に回復した。
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