連載 看護学生解体新書・7
控えめな指導
加藤 光宝
1
,
藤田 悌子
1東京大学医学部附属病院整形外科
pp.526-527
発行日 1992年7月25日
Published Date 1992/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903596
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明るくて屈託のない看護学生がいた.彼女は包帯交換時の清潔操作になると,なぜか落ち着きをなくしてしまう.慌てふためいて,ピンセットをもてあます.だから,清潔操作のはずが,大抵は不潔操作になってしまう.
この学生の様子を見ていると,こちらの身体もこわばってしまう.包交車の前で,まるで初舞台の主演女優のように仕草が硬い.油の切れたロボットのように動作がぎごちない.1つひとつの動作は切れぎれで連続していない.コマ落しのフィルムのよう,そう,チャップリンのモダンタイムスの画像のようだ.いまにも“コチンコチン”と音が聞こえてきそう.
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