特集 上手な論文発表のしかた
学会発表の指導をうけて―メルボルンとソウルでの学会発表
石井 八恵子
1
1慈恵青戸看護専門学校
pp.113-116
発行日 1992年2月25日
Published Date 1992/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900339
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私は,海外での看護学会に参加し,発表するという経験を2回した.そのどちらも私にとっては,強烈な印象に残る体験であった.そのなかで,特に学会発表の指導を受けたことは,大きな収穫であった.日本の学会のあり様に思いを馳せる時,私の経験が多少なりとも役に立てればと思い,まとめることにした.
ことの始まりは,1977年,東京で第16回ICN大会が武道館で開催されたことにある.私の隣席は外人ナースで,その時は話をすることもなく過ぎた.開会式が終り,夜のイベントまで十分時間があったので,いったん,家に帰ろうと地下鉄の改札口に行くと,切符売場で戸惑っている女性が,私の隣りにいた方だった.「どちらまで切符を購入しますか」と尋ねると,「品川まで,時間があるのでホテルに戻りたい」と言う.ちょうど私と同じ方向だったので一緒に地下鉄に乗り,ホテルまで送った.それから3日間,品川から武道館までを一緒に往き来して友達になった方がオーストラリアのミスモーリである.
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