NURSING EYE
その場その時の判断力を育てるために
古城 幸子
1
1新見女子短期大学看護学科
pp.258-261
発行日 1991年5月25日
Published Date 1991/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900204
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はじめに
臨床実習では,対象の看護上の諸問題を解決してゆく能力(看護過程の展開能力)を育てることを目標にしている.学生は対象を理解するための情報を整理することから,実践の評価修正までを,フィードバックを繰り返しながら実習をすすめる.しかし急性期のように患者の状態が日々変化し,それに伴って看護の必要性も刻々と修正を迫られる現場では,一般的な知識を対象の状態を通して確認するのが,学生には精一杯のように思う.
そういった急性期の患者を援助する時,特にその場面場面の観察が重要である.また,さしあたってのケアを決定したり,具体的な計画や実践もその時々に修正を必要とするため,状況に応じた判断力が要求される.さらに小さな判断の1つ1つが,次の計画に結びついたり,新しい情報の発見になったりすることに気づく学生は少ないのが現状である.
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