特集 地域医療を支える住民の活動
【先行事例】
対話の場をつくる―地域医療を育てる会の挑戦
秋山 美紀
1,2
1慶應義塾大学総合政策学部
2地域医療を育てる会
キーワード:
NPO
,
地域協働
,
情報発信
,
医療再生
,
市民参加
Keyword:
NPO
,
地域協働
,
情報発信
,
医療再生
,
市民参加
pp.667-670
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541102085
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地域医療再生基金等で一時的に住民活動が盛り上がったとしても,それを長期的に維持・発展していけなければ,一過性のブームで終わってしまう.住民活動は,自発的なものであるがゆえに,行政や医療機関がコントロールすることは難しい.では,住民活動を継続する秘訣はあるだろうか.どうしたら,立場や考えの異なる住民が緩やかにつながりながら,自主的な活動を継続し,地域医療の再生に貢献できるのだろうか.
本稿では,そうした問いへのヒントを提示してくれる千葉県山さん武ぶ地区のNPO法人「地域医療を育てる会」の活動を紹介する.このNPOは,住民,医療者,行政の「対話の場」づくりを核に地域協働のユニークな取り組みを続け,地域医療の再生に貢献してきた好事例として注目を集めてきた.本稿では,具体的にどのような活動が地域医療再生に効を奏したのか,また,「市民」つまり「自立した個」のつながりが,自発的に成長・発展していけるようなガバナンスとはどのようなものかに焦点を当てながら論じていく.
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