焦点
学生が生涯を通じ、実践の意味を自ら探究していくための関わり―実習体験を基にした看護事例研究
角野 雅春
1
1専門学校ベルランド看護助産大学校
pp.554-561
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202303
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理論枠組み、概念枠組みを用いた看護事例研究のススメ
看護教育への思い
専門学校ベルランド看護助産大学校(以下、本校)の看護研究の講義では、実践看護を教育する立場として、これまでの授業から学び得たこと、演習や実習での経験を積み上げたことを基盤に、新しい観点を持って考え、より良い看護の可能性を探ってほしいという願いを持って教授している。
私は、看護学生のみならず、看護師にも事例研究に取り組むことを勧めている。これは、事例研究を深めることで、学生や看護師の「実践看護を大切にする思い」を育むことができると考えるからである。看護実践は、ある日突然うまくできるわけではなく、関係する人たちのさまざまな現象を俯瞰して、看護師として何をすべきなのか、何ができるのか、どのように対処すればよいのかを考え、日々の看護を積み重ねていく中で育まれると思う。つまり、具体的な事例の中に身を置くことで初めて統合された知としての学修が可能となり、その手段として事例研究が挙げられるのだ。事例研究を通して、自分の看護実践がそれで良かったのか、もっと他の実践はなかったのかなど、自身の看護実践を丁寧に振り返る機会を得ることができ、それが看護の再出発ともなり得る。
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