メモランダム
日常性のなかで自らを育てつづけていくとは
小野 殖子
1
1日本看護協会看護研修学校
pp.380
発行日 1979年6月25日
Published Date 1979/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907343
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澄んだ空に木蓮(もくれん)がふくよかに開き始める風景に心ひかれるころは,学業を終えて社会への巣立ちの日を待つ人々の季節でもある.人生のひとつの節目ともいえる時期,この花は清楚(せいそ)な,ある種の落ち着いた雰囲気を添えている.
私自身の周りの人々の中でも,自らの決意や選択に基づく学業を終えて新しい職場に就く人が目立つ.その顔の表情は一様ではない.全力を出しきったあとの疲れをにじませている人,満ち足りた安らぎをみせている人,入学時の課題の残りについてまだ思いめぐらせている人,そして,ある意味では未知ともいえる新しい職場での生活を思いやっての希望と不安の交錯した姿.
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