実践報告
多職種と連携・協働する基礎的能力を養う授業構築への取り組み
吉永 友香
1
,
和氣 未央
1
,
津村 礼子
1
1北九州市立看護専門学校
pp.208-212
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202231
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
北九州市立看護専門学校(以下、当校)は、指定規則改正を受けた第5次カリキュラムにおいて、1年次後期の講義科目に「多職種連携・協働」、2年次前期の実習科目に「基礎看護学Ⅱ(他職種の理解)」を新設した。この2科目を新設した経緯を述べる。
地域包括ケアシステムの構築が推進されるなか、多職種には、ケアの中心にいる対象が健康を回復し自己実現に向かって進めるように、対象の考えや判断をもとに質の高い支援を実施する能力が求められている。なかでも看護師は、多職種連携・協働の要であり役割と責任は大きい。しかし、これまでの第4次カリキュラムにおいて多職種連携・協働に特化した科目はなく、各看護学の科目でその必要性を伝える程度にとどまっていることが多かった。自身が担当する成人看護学の科目においても、ストーマを造設した対象への多職連携・協働に関する協同学習を行ってきたが、事例に関連する職種として医師・薬剤師以外を挙げる学生はほとんどいなかった。以上のことから、多職種と連携・協働する基礎的能力を養う授業構築の必要性を実感し、科目の新設を進めることとなった。
今回、新設した2科目の授業設計で意識したことは、講義をとおして「知る・わかる、考える、自分のことばで表現する」と段階的に学びを深め、実習をとおして「学びを統合し相手にわかりやすく伝える」ことができる教育内容と方法である。それらを念頭に置き実施してきた2科目の授業設計と学習成果について報告する。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.