増刊号 急性期における疾患別作業療法
第5章 急性期におけるチーム医療と合併症管理
1 急性期における多職種連携と協働
高多 真裕美
1
,
倉西 菜摘
1
Mayumi Takata
1
,
Natsumi Kuranishi
1
1金沢脳神経外科病院
pp.954-960
発行日 2023年7月20日
Published Date 2023/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001203485
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はじめに
チーム医療推進協議会では,チーム医療について“われわれが目指す「チーム医療」とは,医師をはじめとするメディカルスタッフが,患者とともに,それぞれの専門性をもとに,高い知識と技術を発揮し,互いに理解し目的と情報を共有して,連携・補完しあい,その人らしい生活を実現するための医療である”1)と定義している.
厚生労働省は2011年(平成23年)に報告した「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集」2)の中で,わが国の医療は非常に厳しい状況に直面しており,医学の進歩,高齢化の進行等に加えて,患者の社会的・心理的な観点および生活への十分な配慮も求められており,医師や看護師等の許容量を超えた医療が求められる中,チーム医療は必須であるとしている.
また急性期・救急医療におけるチーム医療については,手術や集中治療等の治療の根幹部分において,高い能力をもった専門職種が課題に応じてチーム編成をして介入する必要性だけではなく,病院内におけるチームにとどまらず,地域において,共に救急医療を担う医療機関や回復期・慢性期の治療を担う医療機関,在宅医療を担う医療機関,地域の診療所や患者搬送を担う救急隊等の関係者を含めたチームを構築することの必要性を報告している.
ここでは,前半で急性期におけるチーム医療について述べ,後半では当院における多職種連携の一例と急性期から在宅へつないだ事例を紹介する.
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