増刊号 脳卒中の作業療法 最前線
第5章 他職種・家族等との連携
1 院内における多職種連携と協働
坂田 祥子
1
Sachiko Sakata
1
1東京湾岸リハビリテーション病院
pp.990-994
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001202653
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,脳卒中に対して新しい治療法が導入され,良好な治療成績が報告されている.しかし,脳血管疾患は,がん,心疾患,老衰に次いで,2019年(令和元年)の死亡原因の4位であり1),介護が必要となった原因の2位である2).脳卒中は何らかの障害が残存することが少なくなく,リハにより,患者の生活再建に向けて急性期から回復期・生活期を通じた多角的な介入が必要となる.
「脳卒中治療ガイドライン2015」3)でもチーム医療の重要性が述べられている.詳細は成書を参照いただきたいが,急性期リハでは,“(前略)リハビリテーションチームによる集中的なリハビリテーションを行い,早期の退院に向けた積極的な指導を行うことが強く勧められる(グレードA)”とされる他,回復期以降の各時期でも,さまざまな専門職によるチーム医療が必須となる.
厚生労働省では2009年(平成21年)から「チーム医療の推進に関する検討会」を開催し,「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的事例集」4)を取りまとめている.そこでは,チーム医療を推進する目的としては,医療の質を高めるとともに,効率的な医療サービスを提供することが挙げられ,そのためには,①コミュニケーション,②情報の共有化,③チームマネジメントの3つの視点が重要であり,効率的な医療サービスを提供するためには,①情報の共有,②業務の標準化が必要であるとしている.
ここでは,脳卒中におけるチーム医療としての多職種連携・協働について述べ,一例として当院の多職種連携を紹介する.
Copyright © 2021, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.