連載 作業療法を深める ㉛やさしい日本語
「やさしい日本語」で外国人患者とコミュニケーション
武田 裕子
1
,
岩田 一成
2
Yuko Takeda
1
,
Kazunari Iwata
2
1順天堂大学大学院
2聖心女子大学日本語日本文学科
pp.674-677
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001201753
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日本語で会話する在留外国人の割合
在留外国人の数は約264万人〔2018年(平成30年)6月〕と4年連続で過去最高を更新している1).さらに,少子化による労働力不足を受けて在留資格に「特定技能」が新たに創設され,2019年(令和元年)から5年間で最大34万5,000人余りの外国人労働者の受け入れが見込まれている.日本に住む40〜50人に1人が在留外国人となる計算である.
外国人診療というと,英語が苦手だからと尻込みする医療者は少なくない.しかし,2016年度(平成28年度)に行われた在留外国人を対象とした法務省委託調査「外国人住民調査報告書」2)では,日本語での会話力について「日本人と同程度」という回答が29.1%,「仕事や学業に差し支えない程度」が23.4%,「日常生活に困らない程度」が29.7%であった(図 1).特別永住者等の「生まれてからずっと日本に住んでいる」回答者10.7%を除いても,在留外国人の約7割は日本語である程度以上の会話が可能という計算になる.国立国語研究所の「生活のための日本語:全国調査」3)でも,英語を母語(最もよくできる言葉)とする外国人は8%に過ぎず,日常生活に困らない言語は日本語が62%で,英語は36.2%にとどまる.
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