連載 UIC大学院生通信―アメリカの看護教育・大学院生活・研究・2
留学生として生き残るために―分析力と表現力を身につける
渡辺 薫
1
1イリノイ大学シカゴ校看護学部
pp.424-425
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100257
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先日,この連載の相棒である岸さんと電話で話していた時,留学生として生き残っていくには何が必要なのだろうという話題になりました。まず,誰もが思い浮かべるのが言葉。留学先の国の言葉を聞き,読み,理解し,話し,書く能力は,学生生活だけではなく日常生活を送っていく上でも大切です。初めは自国の言葉(私たちの場合,日本語)で考えたことをその国の言葉(英語)に訳しながら考えをまとめているのですが,時が経つにつれ,拙いながらもその国の言葉で考えるようになります。でもこれは表面的な変化で,実は意識しないところで,母国語と英語の間を常に行き来しながら考えているのだと思います。
母国語と英語の間を行き来しながら考えるとは,どんな頭の働きなのでしょうか。2つの言語で考え,伝える力と,留学生として学び,研究を行うこととはどんな関わりがあるのでしょうか。学問的なことは言語学,文化人類学,心理学者が研究していますから,ここでは岸さんとのおしゃべりから私が思ったことを書きたいと思います。
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